アドバイスをせずに人は変わるのか?
変わるんですよ。
まず初めに、人間の脳は二重構造であると思って下さい。理性と本能です。
普通の人は理性が働いて本能がコントロールできている状態だと思って下さい。
しかし、苦しい人は本能が優位に働いて、理性の働きが悪くなっている状態だと思って下さい。
こういった状態になったら正常な判断ができなくなるので、周囲の家族や友人から見ても、どうしてそんなこと考えるの?しちゃうの?ということを平気でするようになります。
それを正当化するために言い訳、嘘まで言ってしまう場合まであります。
「〇〇がこう言ったから」「〇〇がやれって言ったから」「〇〇になるかと考えて」など。
本人は、その言い訳が稚拙なことにさえ気づかずに本気で信じて言っていますからね(汗)。
それに対して、説得したり、アドバイスすることの、なんと虚しいことか・・。
なぜ、そんな理性と本能の逆転現象がおきるのかというと、原因の多くはトラウマです。
トラウマが多くありすぎると、そういった状態になると思って下さい。
例えば、幼児期、虐待を受けて育った人がいるとします。
その後、対人恐怖を持つようになる。やがて、社会に対する恐怖を持つようになり。不安で怖くて・・・。
「死にたい」などと思いながら生きるようになります。
そして、苦しみの果てに自殺・・ということもありえます。
トラウマとは生命の防衛反応ですから「あんな恐ろしい思いは二度としたくない」と感じ、回避行動をとるようになるのですが。
結果、自傷とか自殺とか、身の破滅を選択する・・・
という生命の逆転現象がおきるのです。
生命が死にたいと考えたり、実際に自ら死ぬことを選んでしまう。
なんと、不自然なことでしょうね。
本能のエラーともいうべき状態ですね。
こういう本能に理性が従属した状態をイチゼロ思考とか、白黒思考とか呼びます。
こうあるべきだ、でなければならない、そんな考えですね。
柔軟な思考ができなくなります。
ケースバイケースとか、その場に応じた考え、行動がとれなくなるのです。
認知の歪みと表することもありますが、僕は、それは間違った認識だと思っています。
歪んでいるのは認知(考え)ではないからです。
あくまでも肥大化し、コントロールを失った本能があると考えているからです。
そういった状態の方々に対して、よくおこなわれる心理療法が認知行動療法なのですが。認知(理性)・行動(本能)療法なんですね。
だから僕は、まず行動(本能)療法なんだと言っているんですけどね。
ほとんど認知(考え)しか見ちゃあいない。そんなんだから真実を見誤る・・。
僕は条件反射制御法という治療を使って、主にそういった本能のエラー状態の生きづらさを抱えていたり、うつ病、不安障害、あるいは依存症などの治療をおこなっています。
条件反射制御法は、良くできた行動療法のパッケージ治療と思ってもらえれば分かりやすいのかなと思っています(分かりにくいわ!)。ということで、僕は考え方を変えたり、考え方を押し付けたりすることはありません。
まず、徹底的に話を聞いていきます(カウンセリング)。
それも、どうやったら人の苦しみがとれるのかということを考えておこなっています。
その後は、希望すれば条件反射制御法という心理療法をおこなっています。
それらが、終わったら普通に、自然と、
「どうして、あんなこと考えていたんだろう・・」「しょーもな(笑)」
などと、それぞれが言うようになります。
それは、それが本来のその人の考えだからです。
みなさんには、不思議かもしれませんが、僕にとったら、それが普通です。