僕は精神科のお薬のことを悪く言うことがあります。多くあります(笑)。
メンタルヘルスの問題を解決するのに薬なんてほぼ何の役にも立たないと思っています。
ですが、薬が効かないとは一言も言ってないとは思います。
むしろ薬は絶対に効くとも思っています。ただ、役には立ちません(笑)。
この微妙なニュアンスが分かりますかね。
そのことを今回はお話させてもらおうかなと思います。
当然のことながら、精神科疾患の治療において、もっともエビデンス(根拠)がある治療が薬物療法です。
それは、徹底的な研究によって明らかにされ、その上で市場に出て、みなさまの元に届くワケですからね。
その中でも、基礎研究というものがあります。いわゆる動物実験です。
前回、デパス(抗不安薬)のことを投稿したのですが、例えば、抗不安薬の基礎研究では。
ネズミに電気ショックをあたえます。
すると、回避行動をとるようになります。
つまり、トラウマが出来たということです。そして、今度は抗不安薬を投与すると、回避行動をとらなくなると。
はい。不安が消えました。トラウマが消えました。効果がありますね。となるワケです。
ということで、動物の行動を変容させるわけですから、その効果も絶対ということになるのです。
しかしねえ、薬によって、恐怖や不安、緊張が消えるとしたら・・。
それって・・・なんか、怖くないですか?
薬は効果があります。
でも、僕は繰り返し言っていますが。薬は効果があるが、副作用もあるのです。
そして、薬は痛み止めのようなものだとも言っています。
先ほどの研究もそうですが、抗不安薬を投与されたネズミは、本当に不安が消えてなくなったのだろうか?
薬によって脳が麻痺しただけではないだろうか?と思うわけです。
繰り返し、繰り返し何度でも言いましょう。
精神科薬は効果はあります。
でも、それは脳を一時的に麻痺させているに過ぎないのです。
根本的には効いてはいないのです。
脳が麻痺をして、治ったと錯覚して、また無理をしたらどうなりますか?余計に悪くなるに決まっているでしょう。
そして、何よりも、薬には副作用があるのです。
あんまり、くわしく書くと、みんな怖がるので書きませんが・・。
あとは、作用も曲者で、脳に効くわけだから、考える力が無くなったり、感情が無くなったりしますね。
これで、苦しみが消えたと言われても、苦しみもないけど喜びもない。
そんな人生に何の意味があるのでしょうか・・と僕は思ってしまいます。
さらに、精神科のお薬が効くのであれば、どうして年々、精神科疾患患者が増えていっているんですか?
どうして、SSRI(新型の抗うつ薬)が1999年に市場に出てから、翌2000年に一気にうつ病患者が増加したんですか?
・・っていうことです。
ですから、もっともエビデンス(根拠)のある治療が薬物療法なんですよ(笑)。
そして、薬物療法が絶対であるならば、心理療法も絶対ですよ。
僕は条件反射理論をベースに作られた、条件反射制御法という心理療法を使って治療していきますが。
パブロフの条件反射理論もやはり基礎研究(動物実験)で明らかにされたものですが。犬に餌を食べさせる前に、必ずベルの音を聴かせるということを繰り返しやっていくと、ベルの音を聞いただけで、唾液が出るようになるというものです。
梅干しを見ただけで唾液が出るというようにね。
ちなみに、依存やトラウマも条件付け行動です。
そして、その条件反射を消去する方法もパブロフは明らかにしています。
ベルの音を聞いただけで唾液が出るようになった条件反射に対して、今度はベルだけを鳴らし続けていくのです。
すると、ベルを鳴らしても唾液が出なくなります。これを反射の消去と言います。
つまり、依存やトラウマも消せるのです。
これも、薬物療法と同じで、基礎研究の積み重ねによって明らかにされたエビデンス(根拠)のあるものです。
しかも、薬物療法と違い、そこには根本的な解決方法があると思っていただけたら幸いです。
ですから、薬物療法も必ず効くし、同様に心理療法も必ず効くのです。
ちなみに、心理学の裾野は広く広大です。心理療法と一言で言っても無限にあります。
一つ言えるのは、再現性のないものを学問とは呼べないということです。
再現性のないものを治療として提供すべきじゃないと思っています。
梅干しを見ただけで唾液が出る。条件反射です。
その反射の消去は、絶対です。生命が生きている限り、条件反射から逃れられないのですから。
そういうものを心理療法、治療として扱っていくことが大切だと僕は思います。
投稿者プロフィール

最新の投稿
K'sセラピールーム2021.01.06新年早々、やらかしてしまいました(泣)
うつについて2020.12.04うつ病と薬物療法
片山太郎2020.11.19宗教2世として生まれて
生きづらさについて2020.11.08もう頑張れない・・そんな人たちへ