心理療法の対象疾患と症状

僕が心理療法の対象としているのは、わかっちゃいるけどやめられない行動です。

わかっちゃいるけどやめられない行動で、わかり易いのは依存症です。

また、嗜癖行動も分かりやすいわかっちゃいるけどやめられない行動です。

少しわかりづらいかもしれませんが、生きづらさやうつもわかっちゃいるけどやめられない行動の中に含まれていると考えています。

一つずつ説明していきます。

依存症

アルコール依存症や薬物依存症です。

こういう話をすると「アルコール依存症や薬物依存症なんて病気じゃない」「やめられないのは意志が弱いからだ」と言われます。
精神科で長年勤務してきましたので、精神科の中でも依存症への偏見が強いのを肌で感じてきました。

本当に依存症者がアルコールを薬物をやめられないのは意志の問題なのだろうか?
清原容疑者はなぜ週刊誌に薬物使用を疑われた時にスッパリ覚せい剤をやめなかったのだろうか?

例えば、女子大生が帰宅途中にヤクザものに拉致られて、シャブ漬けにされ、覚せい剤がやめられなくなりました。
この女子大生は意志が弱いですか?

例えば、ネズミやサルに覚せい剤のカケラを投与すると行動変容して、食事も睡眠も取らず、覚せい剤を求め続けます。
このネズミやサルは意志の弱い動物ですか?

酒を飲む

依存症は意志を超えた行動の病気です。

一度、依存形成してしまうのと、ほとんどの場合、意志の力は役に立たないのです。
例え、これ以上やれば、家庭が崩壊する、警察に捕まる、死ぬと分かっていてもです。

依存症はわかっちゃいるけどやめられない行動です。

少し横道にそれましたが、その他にも、ニコチン依存症、ギャンブル依存症、ゲーム依存症
(ここら辺までが通常依存症、病気としてカテゴリーされていますが)。

僕の場合は、その他にも様々な癖も治療対象としています。

嗜癖行動(アディクション)

例えば
窃盗癖、放火癖、露出癖、ストーカー、摂食障害、携帯依存(課金ゲームに過度に課金する、など)
ネット依存(同じく課金ゲームに過度に課金する、など)、恋愛依存、sex依存、共依存(恋人や夫婦が互いにコントロールし合う関係)、あらゆる人間関係の依存、リストカット、抜毛症(毛をハゲるまで抜いてしまう)、マラソン依存(血尿が出てもトレーニングをやめない)、筋トレ依存(疲労骨折してもトレーニングをやめない)、甘味依存。

さらに、糖尿病で糖質制限がかかっている、心臓病で塩分制限がかかっているのにダメなのについつい食べてしまう…などなど。

わかっちゃいるけどやめられない行動のすべてです。
こういった行動を嗜癖(アディクション)と言ったりもします。

今度こそ「そんなの病気じゃない」とお思いでしょうが、メカニズムは一緒です。
あらゆる癖も、やはり、わかっちゃいるけどやめられない行動なのです。

 

生きづらさ

依存症や様々な癖は治療対象です。すべて、わかっちゃいるけどやめられない行動ですと書きました。
でも、他にもまだまだわかっちゃいるけどやめられない行動はあるのです。

  • 人と目を見て話ができない。
  • 人前で話をしようとすると緊張する。
  • 集団が苦手。
  • 布団から、家から出たくない。
  • 人が苦手、でもさみしい。
  • 急に気持ちが沈んでしまう。
  • なんか知らんけど、イライラしてしまう。
  • イライラして、人を傷つけてしまう。

このような人たちが世の中には多くいると思います。

みなさんの周りにも1人か2人いるのではないですか?
もっとたくさん「私の周りは、ほとんどの人がそうだ!」という方もいると思います。

「もっとこうした方がいいよ!」「もっとこう考えたほうがいいんじゃないの?」とアドバイスを送ったこともあるのではないですか?
その人は変わりましたか?

言われた方はこう思っているのではないですか?「そんなこと言われなくてもわかっとるわ!」と。
本当はもうとっくの昔にわかっているんじゃないですか?

本当はそんなことしたくないし、言いたくないと。
でも、わかってるんだけどできないんじゃないですか?

そうです。
これらも、わかっていてもやめられない行動なのです。こういった、いわゆる生きづらさも治療の対象にしています。

指を指し怒鳴る女性

うつと自律神経失調症

生きづらさも治療対象だと言いました。生きづらさを抱えて生きているとどうなるか?です。

生きづらさを抱えているとストレスを抱えやすくなります。
人間関係のトラブルが多くなっていきます。
溜まったストレスに体が反応します。
体がSOSを出すようになるんです。

それを自律神経症状と言います。
わかりやすい自律神経症状は慢性的な肩こり、偏頭痛、倦怠感、不眠、抑うつ、下痢、胃痛ですか。まあ、いろいろな症状が出ます。
人によって症状も様々です。

自律神経症状が出てもなんとか自制しようと努力すると思います。
マッサージに行く、休みの日は寝て過ごすなどです。
仕事を転職したり、人間関係の縁を切ってしまう人もいるでしょう。
中には家でできる仕事にシフトしたり、田舎に隠遁して孤独に生活するようになる人もいるでしょう。
それは、はたして望んだ形でしょうか?

そして、いよいよ限界が来てしまうと、非定型うつ心因性うつ内因性うつ新型うつとか呼び名はいろいろですが)、神経症不安障害パニック障害恐怖症強迫性障害などといった精神病になってしまう人もいるでしょう。

ここに書いてあるように、すべての症状の出発点は生きづらさであると考えています。
では、生きづらさとは何か?です。
おそらく、忘れることのできない辛い体験です。トラウマとも言います。
もしくは、親の教えと称した呪縛です。
アダルトチルドレン、愛着障害などの言葉もありますが、、、
そういった過去の体験によって、その呪縛によって、こう生きたいと願っても、生きられない。
わかっていてもやめられない行動となっているのだと思います。

生きづらさを出発点とした、自律神経症状や各精神病も治療の対象としています。
「生きづらさ?うつ?そんなのは甘えだ」
「しっかりしろ!」
「考え方を変えたほうがいい」

依存症と同じですね。病気を性格の問題にするんです。
医療者も家族も本人も。

僕は違います。生きづらさは病気の前駆症状です。それらも、治ります。

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