今日はアンパンマンを通して、自己犠牲と献身について学ぼうという回にしたいと思います。
なんせ、日本人は、自己犠牲の精神とか、献身が大好きですからね。
さあ、始まり、始まり・・。
いつものように、アンパンマンはパトロール中。そして、いつものように、森で迷子のカバオくん(笑)。
カバオくんの泣き声を聞きつけたアンパンマンはすぐさまカバオくんの元に行きます。
「もう大丈夫だよ」
アンパンマンは泣いていたカバオくんに声をかけ、空腹のカバオくんに自分の顔をちぎって渡します。
自分の身体の一部を分け与える、かつてそんなヒーローがいただろうか?
アンパンマンの作者のやなせたかし先生は戦中、戦後の厳しい時代を生きてこられた方です。
ですから、飢えることがどれほど恐ろしいことか・・・その中で生まれたのがアンパンマンというヒーローです。
しかし、アンパンマンはただアンパンを差し出すだけではありません。
アンパンは自分の顔であり、自分の命です。「顔が欠けて力が出ないよ~」ってね。
だたアンパンを差し出す物語なら、ジャムおじさんがパンを焼いて空腹な人をみつけて配ればいいのです。
アンパンマンは自分の顔を、命を差し出すのです。
やなせたかし先生は、アンパンマンを通じて、
人を助けること、自己犠牲、献身がただの綺麗事ではなく痛みをともなうもの
だということを教えてくれているのかもしれません。
そして、ジャンプのヒーローでも何でもヒーローは愚痴や不満を言いません。
「ガバオのヤローがまた迷子になりやがって!それで、またいいタイミングでバイキンマンが出てきやがって!たぶんガバオとバイキンマンはグルじゃないかと思う・・・!!」
・・そんなこと、アンパンマンは言いませんよね~(笑)。
だからアンパンマンは真のヒーローなのだと思います。
人を助けることに痛みが生じるのはアンパンマンでも教えてくれることです。
人を助けて愚痴も不満も感じません。それがヒーローなんじゃないですか?
これを読んでいるあなたは、人を助け自分が傷つく、そんな覚悟はありますか?
あなたは、自己犠牲、献身をしてきて愚痴も不満もありませんか?
あなたは、それでも人を助けますか?人のために生きますか?
アンパンマンはどれだけ頭が減って力が出なくても、ジャムおじさんが新しい頭を焼いてくれるから助かるのですが・・。
人を助け、すり減った心は簡単に元には戻ってくれないのですよ・・・。
そういう覚悟を持って、たとえ傷つくことがあったとしても、乗り越えていける人が人を助ける資格があると思うのですが、みなさんはどうですか?
みんな簡単に、自己犠牲と献身は当たり前のことのように言っていますが、これは、そんな綺麗な、綺麗事ではありませんよ・・・と言いたいですね。
人は、なかなかアンパンマンのようなヒーローにはなれないのだと思います。
僕なんかは、人のことを心配する前に、まず自分だろうと思うのですが。みなさんは、いかがでしょうか?