「AC(アダルトチルドレン)は治る」とACを自己治療した僕は断言します。

AC(アダルトチルドレン)について、斉藤学医師によれば

家族内トラウマの後遺症(PTSD:心的外傷後ストレス性障害)に悩む者ー引用:『アダルト・チルドレンと家族―心のなかの子どもを癒す

と言われていますが、此処では分かりやすくアダルトチルドレン=「大人っぽい子供」と直訳してみます。

大人っぽい子供は不自然ですよね。だから、大人になる時に社会不適応を起こすようになるのです。

大人っぽい子供の原因は過適応

なぜ、大人っぽい子供になるかというと。

一言で言うと、過適応です。
そうしないと生きていけなかった家庭環境があったのです。

例えば、虐待しつけと称した、モラハラ、DV(ドメスティックバイオレンス)がある家庭では、いい子にしておかないと叩かれたり、怒られるわけですから。生きていくために、いい子でいないといけないのです。
そういった分かりやすい家庭環境だけでなくて、例えば、苦しそうな母親の元で育ったとしても、子供は「親を助けないと」と子供らしさを失い、大人っぽい子供となるでしょう。また、最近多いのが、両親共働きの家庭で、「親が忙しそうにしているから・・」と、親に甘える事やわがままを言うこともなく、我慢強い良い子となってしまうでしょう。

こういった場合も、やはり、そうしないと生きていけなかったのです。
いい子=アダルトチルドレンと言ってよいでしょう。

僕は、ちなみに、泣かない赤ちゃんだったそうです。育児書などには、サイレントベビーという言葉がありますが、そういった赤ちゃんだったそうです。

アダルトチルドレンと類似した言葉で表すなら、さしずめアダルトベビーといったところです。

お母さんは、今でも、赤ちゃんの時の僕の話をいつも嬉しそうにしてくれます。
僕がまだ、ハイハイをしている赤ちゃんの時の話しです。

「太郎は、おっぱいの時間になっても泣きゃあせん。どこにおるんかも分かりゃあせんかった(家が田舎の広い家だったので)。太郎はええ子じゃった~」

・・・みなさん、どこに居るかも分からない、泣かない赤ちゃんっていい子だと思いますか?
子供は泣くのが仕事・・なんて言葉がありますが、サイレントベビーもやはり赤ちゃんらしさがない、親の都合の良い子と言わざるを得ないのかなと思います。(僕のACからの回復の物語はこちら→「片山太郎物語~アダルトチルドレンの僕がカウンセラーになるまで」

親にとって都合がいい子。
それは、本当のいい子ではないのです。かりそめのいい子なのです。

根底にある自分の気持ちは押し殺して育ってきているのです。
これは、我慢癖と言ってもよいでしょう。

そして、AC、いい子、我慢癖・・は、大人になるにつれて、さまざまなメンタルヘルスの問題を抱えるようになっていくのです。

ACが抱えるメンタルヘルスの問題

AC=親の都合の良い子 と一言で言っても、虐待があった家庭で育った子供と、両親共働きで、あまり親とのかかわりがない家庭で育った子供では、同じACでも症状にはかなりの違いが出てくるでしょう。

例えば、虐待厳しいしつけの中で恐怖を抱え育った子供は、大人になると、人目を気にしたり対人緊張や、対人恐怖を抱えるようになることが多いです。また、親が信用ができなかったので、人や社会に対しては強い猜疑心不信感を抱えるようになるでしょう。

こういった人たちの抱く症状は、斉藤学のいうところのACは「家族内トラウマ」という表現にピッタリ当てはまるところです。実は、日常に感じる恐怖幼少の頃の家庭環境トラウマをフラッシュバックさせていると捉えることで苦しみの原因が分かってくるのではないのかなと思います。

他にも、両親共働きで寂しさを我慢して育ってきた人は、強い寂しさを抱えているにもかかわらず、人に甘えたり頼ったりできにくい大人になるでしょう。

苦しそうな親元で育った人は、ことさらに親を助けないとと思うようになったり、ことさら苦しんでいる人を助けたいと思うようになるでしょう。ことさらにというのは、自分よりも親や人を優先してしまうという風に、自己犠牲が強すぎて苦しんだりするようになりやすいということです。こういったタイプは、親や、人との関係が共依存関係となって、離れたくても離れられないという関係性の中で苦しむようになるでしょう。

 

夫婦喧嘩と子供

ACの苦しさは多岐にわたりますが、他にも、肯定されて育っていないので、自信の無さ、自己評価が低い方が多いです。自己評価が低いために、人や社会の評価を求め過剰に頑張り屋だったり完璧主義の人も多いです。

もし、ACの方が、自分の苦しさの原因を求めて精神科に行くことがあったら、圧倒的に不安障害という診断がつく人が多いとでしょう。繰り返し「家族内トラウマ」と言っていますが、安心感の無い家庭環境で育ったというトラウマが不安感の原因であることが多いからです。先に言った、対人緊張対人恐怖社交(社会)不安障害という精神疾患の症状の一つであるのです。

その他にも、耐えがたい孤独見捨てられ不安から、人を巻き込むようになり、境界型人格障害などの人格障害の診断がついている人も時々おられます。

最近は、苦しまれている人の中で自身を「HSPではないか?」と捉えている人が増えてきていますが、HSPACの症状的な違いはほぼ無いように思います。ネットの中には診断のための様々なチェックリストがあるので、一度チェックしてみてはと思います。

また、アダルトチルドレンの言葉の由来アダルトチルドレン・オブ・アルコホーリクスと言い、アルコール依存症の家庭で育った子供という意味があります。そのため、アダルトチルドレンと依存症という病は切っても切り離せれないところはあります。ACという生きづらさを抱えた人は、人・物・行為、何らかに依存して生きるようになるのかもしれません

このようにアダルトチルドレン=「大人っぽい子供」、子供時代を失ったまま大人になってしまうと、様々な社会不適合を起こすようになってしまいます。

ACが抱えるメンタルヘルスの問題まとめ

  • 虐待する親の子供→対人恐怖・強い猜疑心
  • 両親共働きの親で寂しさを我慢してきた子供→人に甘えたり頼ったり出来ない
  • 苦しそうな親の子供→自己犠牲・共依存関係になりやすい
  • 全般的に→自己評価が低い

<精神科で診断が付きやすい病名>
不安障害・社会(社交)不安障害・境界型人格障害

<アダルトチルドレンの症状とHSPの症状が似通っている>

 

ACから回復するためには、トラウマと共依存を治す必要がある

さて、お伝えしてきたように大人になると様々な苦しさを抱えるようになるACですが、筆者はACの苦しさは大きく分けて2つに分類されると思っています。それは、トラウマと共依存であると考えます。

トラウマ由来の苦しさとは、寂しさや不安、恐怖といったものです。それらは、過去の家庭内のトラウマがフラッシュバックしているのです。

また、友人、恋人、夫婦関係で苦しみつつ離れられない関係を指し共依存といったりしますが、共依存の根っこには親子関係があります子供というものは親に依存しないと生きていけれないものですから、親と依存関係になってしまうことは避けられないことなのかもしれません。

大人になっても親から離れなれなかったり、友人やパートナーと共依存関係となって苦しむ人は、可哀そうな親元で育ち、そんな親を心配しながら育ってきたタイプのACが多いようです。

ACの方であっても、大人になってから、親は嫌悪の対象で依存なんてしていないという人もおられるでしょうが、親を嫌悪してしまっているという点で、大人になった今も親に囚われているのです。そもそも依存とは、良くないと分かっていてもやめられない状態を指すので、親を憎みながら離れられないという状態も立派に親に依存していると言えるのです。

これを読まれている人が、社会的に、もう親から自立しないといけない年齢であるのなら、親から精神的に自立するということができた方がよいでしょう。

では、やっと本題に入るかもしれませんが、ACから回復していくにはどうしたらいいかを説明していきます。

ACから回復していくには、幼少のトラウマの解消と親離れをしていくことが必要となっていきます。この2つについて順を追って説明していきたいと思います。

まず、幼少のトラウマの解消についてです。

トラウマを解消するには、トラウマの治療としてEMDR(眼球運動による脱感作と再処理法)PE法(持続暴露法)といったものが有名だが、それらの治療は暴露療法であり、簡単に言えば暴露とはトラウマを思い出すことです。

筆者は、まず、幼少の家庭環境の苦しさをカウンセリングや、自助グループで話をする・・というところから始めるのがよいのではないかと思っています。

その上で、EMDRやPE法といった心理療法をおこなうというのが順番としては良いと思っています。

それと、親離れです。

まず、親離れは、環境的に親から離れるということは大事です。特に、虐待や干渉をされて育ってきたというACの方は、親から離れるという環境を作るだけで、だいぶ感覚も違ってくるでしょう。

社会の中で理想の親、親的な存在、安心できる場所を探しましょう。

そういった人を心の中でよいですから親と思って、甘えたり、頼ったり、信頼関係を築いて、育て直しをしてもらいましょう。

少し自助グループの説明をすると、ACの自助グループとしては、ACA(アダルトチルドレン・アノニマス)や、ACOA(アダルトチルドレン・オブ・アルコホーリックス)という自助グループが有名ですが。自助グループとは、当事者同士の集まりのことで、そこで自分の体験を話したり、人の体験を聴いたりしていきます。

トラウマ的に言ったら、話をして受容してもらうということで、トラウマの暴露になりえますから、トラウマは徐々に抜けていくでしょう。自助グループというものはトラウマ治療的にも有効であると思います。

また、そこでは12のステップBRB(ビッグレッドブック)という回復のステップや、テキストを使って回復を目指していきます。その折、回復の先行く仲間がスポンサーとなって、共に回復の道を歩むこともできます。ここでも、親以外の人からの育て直しという姿があるのだと思います。

簡単に書くと上記のような方法や手順を踏んでいけば、僕はACは回復することはできると思っています。

ただ暴露すればいいように書いていますが、AC幼少期抑圧我慢がありますから、自分の気持ちや、感情が分からないだとか。過去の家族関係の記憶が無いとか。さまざまな方がおられます。

なかなか、困難な人もいるかもしれませんが、回復のために進む方向性さえ違えてなければ、いつか回復できる日が来るのではないかと思っています。

ACからの回復方法まとめ

  1. 幼少のトラウマの解消→カウンセリングや自助グループで幼少の家庭環境の苦しさを話す
  2. 幼少のトラウマの解消→EMDR・PE法

  1. 精神的な親離れ(自立)→物理的に親から離れる
  2. 精神的な親離れ(自立)→社会の中で安心できる場所を探す<育て直しをしてもらう>

 

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