僕のところは、よく心療内科と勘違いされて、お問い合わせをいただいてしまいます。
一般の方は、カウンセリングも心療内科(精神科病院)もその違いが分からないからでしょう。
今回、改めて、カウンセリングと心療内科の違いを説明していきたいと思います。
カウンセリングと心療内科(精神科病院)の違い
- 資格の違い
心療内科(精神科病院)で診療に当たるのは精神科医あるいは精神保健指定医という医師資格を有した人です。
カウンセリングは一般には認定心理士、臨床心理士という心理士資格を有する人です。しかしながら、カウンセラーという資格はないので、まったく国家資格も持っていなくて、臨床経験もないという人がカウンセラーを名乗ることは可能です。
業態としては、整体院に近いかと思います。整体院も柔道整復師、理学療法士という国家資格を有している人もいれば、全然、何の資格も持っていないという人もいるでしょう。
ということで、どうしてもカウンセリング、カウンセラーは玉石混交感は否めないです。
そういう僕も、心理資格も持っていないし、民間資格も有していない人間です。経験はそれなりにありますが。
有資格、国家資格を有する人が良いというなら、そういった然るべき資格を有した人を探すのがよいでしょう。
- 値段の違い
保険が効くか効かないかというのはあると思います。
最近は心療内科でカウンセリングをしているというところもちょこちょことでてきていますが、それでもCBT(認知行動療法)以外の心理療法には保険が効かないなどの制約があり。カウンセリングの多くは保険が効かないでしょう。
そのため、カウンセリングは割高感を感じる人もいるかもしれません。
でも、初診料+薬価代を考えると、保険が効くといっても、初診で病院に行ってもそれなりにお金は必要になるでしょう。
- 話をする時間の違い
K‘sセラピールームでは1時間と2時間のカウンセリングのメニューを用意してあるが、心療内科(精神科病院)では初診でこそ30分ぐらい話を聞いてくれるが、2回目以降の診療は基本的に5分ぐらいが目安だと思います(中には15分話を聞いてくれるという良心的なとこもあるが)。
という風に、話す分量がまったく違います。
心療内科(精神科病院)ではあまり話は聞いてもらえないと思った方がいいでしょう。もし話を聞いて欲しいと期待して心療内科に行くと肩透かしをくらうかもしれません。
また、K‘sセラピールームでは心理療法というものを提供することができるが、医師はそれを提供する時間はありません。実際、心理療法を勉強する医者はたくさん見てきたが(共に研修で学ぶので)、それを患者さん(お客さん)に提供している医師というものを臨床でほぼ見たことはありません。
- 心療内科(精神科病院)の役割
余談かもしれませんが、何のために心療内科(精神科病院)、精神科医というものがあるのか、簡単に話をすると。役割は大きく3つあると思っています。
一つは精神病の診断を確定してもらえることです。精神科医しか精神病の診断をつけられませんからね。二つ目は精神科薬を提供することができるということ。話よりも、お薬が欲しいという人は心療内科がよいでしょう。三つ目が診断書を発行できるということです。
職場などに診断書を提出しないといけないという時には、迷わず病院に行くのがよろしいかと思います。
以上、カウンセリングと心療内科(精神科病院)の違いをまとめてみました。
みなさま、ご参照いただけたら幸いです。
ちなみに、ここからは余談ですが、個人的にメンタルヘルス及び精神疾患において薬物療法はほとんど効果はないと思っています。
眠れないとか、一時的錯乱状態であるとか、パニック発作が止まらないとか。急性期において薬物療法は効果はありますが。お薬によって生きる苦しさが除去されるかといったら、効果はほぼないと個人的には思っています。
なぜなら、もし、薬物療法に本当に効果があるなら、こんなに精神疾患患者が激増していないからです。
厚生労働省のHPでは、2002年、258.4万人→2017年、419.3万人というデータがあります。2000年にSSRI(パキシル)という薬が出ていて、「うつは心の風邪です」というキャッチコピーでうつ病患者が100万人ぐらい増えたので、その前はさらに少ないでしょう。
ちなみに、最新のデータで、2020年精神疾患患者総数は615万人です。
繰り返しますが、本当に薬物療法に治療効果があるなら、なぜこんなにも精神疾患患者が激増しているのでしょうか?
薬物療法に治療的エビデンスがあると言っている精神科医や厚生労働省の関係者には答える義務があるのではないかと思っていますが。誰もその答えは持っていないのだろうなと感じています。
別に僕は陰謀論者ではありませんが、精神科病院で20年働いてきた身として、何と言うか、ただ悲しいですね。
これを読まれた人、それぞれが考えるきっかけになればと思うばかりです。
と考えると、ますます心療内科(精神科病院)に行く理由が無くなってしまうのかな…と個人的には思う次第です。