日本は世界に類をみないギャンブル大国です

ギャンブル依存症の方も、最近は、ポロポロと来られるようになったので、ギャンブル依存症について、少し投稿していきたいと思います。

ギャンブル依存症は国民病?

ギャンブル依存症って言っても、多くの人はピンと来ないと思います。
でも、実は、日本にはギャンブル依存症者が約600万人いると言われています。

この数は人口比率でいうとカジノのある諸外国の10倍以上、日本にはギャンブル依存症者がいると言われています。
実に成人した国民の20人に1人がギャンブル依存症です。

ギャンブル依存症は、すでに国民病と言っても良いかもしれません。

最近は、日本でもカジノ法案ができたりと何かと話題で、カジノやギャンブルの害悪が取り上げられることもありますが、そんなことはギャンブル問題全体でいえば末子枝葉のことだと思っています。

諸外国と比べ、何が違うのか?
言わずもがな。日本にはパチンコがあるのです。

日本は、世界に類をみないギャンブル大国といってよいでしょう。でないと、駅前の一等地にパチンコ屋と消費者金融のビル。
TVでは消費者金融のCMがバンバン流れ、反面、「借金の過払い金が~」どうのこうのと流れ。

平日の早朝に、パチンコ屋の前に行列ができ。仕事終わりに、パチンコです。
あれを見て、多くの人は、仕事はどうしようるんかな?家庭は大丈夫なんかな?と思うと思います。

でも、ギャンブル依存症ともなれば、そんなもんじゃ済まされないです。
ギャンブル問題で一番分かりやすいのは借金でしょう。
他にも、母親がパチンコに行って、車中に子供を置き去りにして、死亡するという痛ましい事件。もはや、夏の風物詩ですね(汗)。
ここまで、パチンコにのめり込んで、やってしまう。恐ろしいです。

例えば、横領。会社のお金を使い込む。また、持ち逃げするとか。
こういった事件の裏にもギャンブル依存症の問題がある場合が多いです。

有名な事件で言うと、大王製紙の会長がカジノに狂って、100億ものお金を使ってしまったとかね。凄いですね100億(汗)。
まあ、会長さんですから、100億ものお金を借りられたというのが、そもそも、すごいのですが。

これが、生活保護受給者となったらどうですか?
毎月初めに受給日で、その足で、パチンコ屋に。

そして、大敗です(汗)。明日からの生活どうしよう?

僕は、ギャンブル依存症者にとって、使った金額の過多は瑣末な問題だと思います。
ギャンブル依存症者は、身が破滅するまで、あったらあるだけ使うんです。

もはや、勝ち負けは関係なし。やれば、やるほど負けていく。
ですから、プロのギャンブラーにはなれないのが、ギャンブル依存症者です。

あと、もう一点。
他の依存症であったなら、死ぬか、警察に捕まるか、分かりやすい末路があるのですが。
ギャンブル依存症者は、体は元気ですから。ギャンブルの多くは、犯罪でもないですから。

みんな、失踪するんですよね。
日本は年間3万人、自殺しているというのは、よく聞く話だと思います。でも、その裏で、日本人は毎年8万人、行方不明になっています。失踪、蒸発です。

その全てが、ギャンブル依存症者の末路とは言いませんが。少なからず、ギャンブル依存症者がいるのは間違いないでしょう。
それは、僕が現場で見てきたからです。

さて、人は、なんでここまでギャンブルにのめり込むのでしょうか?
ギャンブル依存症とは、どんなメカニズムでおこる病気なのでしょうか?

パチスロ台

ギャンブル依存症は脳の病気

なぜそこまで害が出ている状況になっても、ギャンブルをやり続けるのでしょうか?

ギャンブル依存症の人を見て、意志が弱い人間だという人がいます。
でも、実は、ギャンブル依存症は、ICD(国際疾病分類)にも書いてある、世界共通のれっきとした病気です。

それでも、ギャンブル依存症は病気じゃない、甘えだと思う人は、頑張ってWHO(世界保健機構)にでも入って、この世界の共通認識を変えていただきたいなと思います。

さて、病気だという説明には根拠があります。

ギャンブル依存症は脳の病気です。

その証明として、例えば、ファンクショナルMRIという脳の血流をみる特殊なMRIがあるのですが、そのMRIにギャンブル依存症の方に入っていただき、パチンコ依存ならパチンコ画像を見せるだけで、脳の血流がブワーっと出てしまうとか。

当然、健常者はパチンコ画像を見たって脳はそういう風に動かないワケです。
あと、動物実験においても、それは証明されています。

例えば、ボタンを押したらエサが出てくる装置があって。スイッチを1回押したら、エサが1回出てくる装置では、動物はスイッチ押しを必要な時だけしかしません。

しかし、5回押したら、1回エサが出てくる装置では、ずっと押し続けるようになっていきます。
そういった動物でも得られる射幸心を刺激し、人を狂わせていくという装置がパチンコなのかもしれません。

あと、ギャンブル依存症となる人の脳内で何がおこっているかというと、ギャンブルで大勝ちをした時、脳の腹側被蓋野(ふくそくひがいや)という場所でドーパミンという脳内物質が出ます。
それを繰り返すことで、脳にギャンブル欲求の回路ができて変化していくと言われています。

さらに

生まれながらに、そのような射幸心を得やすい脳というのがあって。
ドーパミンの受け皿が最初から遺伝的にある人というのがいる

ということも最近の研究でわかってきました。
まあ、ギャンブルに対する感受性が生まれながらにいいんですね。

こういった研究は枚挙にいとまがありません。繰り返しですが、ギャンブル依存症は脳の病気ですよ。

そうやって、体質があって、かつ、ギャンブル刺激を繰り返しあたえていくと、ギャンブルがやめられない脳になってしまいます。
そうなってしまうと、人間の心というのは脳にあるものですから、脳が変化するということは、心を失うということが起きてしまうのです。

ギャンブルによって人の心を失うと、ギャンブルの為に平気で嘘をつく。
ギャンブルを優先して家族を泣かす。
ギャンブルを優先して仕事をサボる、しなくなる。
ギャンブルによって借金を作る。人のお金に、会社のお金に手を出す。ギャンブルを優先して、育児をしなくなる。車中に置き去りにして、子供を死なす。などなど。

およそ、理性的な状態とは言えないこと。人の心を失った所業をするようになります。

持論ですが、ギャンブル依存症において、もっとも恐ろしいのは、借金ではありません。社会的信用を失うことでもありません。家族を失うことでもないです。

ギャンブルによって、
人間の心を失うこと、これが、一番、恐ろしいことだと僕は思っています。

脳のシナプス

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前田敦子
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