依存(Dependence)と嗜癖(Addiction)の違い
「私、恋愛依存なんよ~」「うちの子、ケータイ依存で~」「私、甘いのがやめられないの」っていうのは嗜癖の分類になります。
嗜癖とはやめられない癖だと思ってください。
依存性もスペクトラム(連続性)の病気と最近言われるようになってきたので、依存と嗜癖を分けることはナンセンスなのかもしれませんが。
一般に、依存性と言われているのは、アルコール、薬物(薬物もいろいろあるが)、ギャンブルとこの3つになります。
依存症は診断基準がある明確な病気です。反面、嗜癖は概念であると思ってください。
ほうほう、病気と健康の境界線ってはっきりしているんだ~。で...チャンチャンとはならなくて(汗)。
嗜癖(アディクション)には神経症と言われる分野の病気も含まれます。
こちらはこちらで診断基準がある病気なんですね(あーややこしや)。
例えば、摂食障害、窃盗癖、露出癖、抜毛症...とまあ、こういうのも嗜癖に含まれてくるわけです。
こうなってくると、病気と健康の境界線はファジーに、あいまいになってくるわけです。
この前、お客様が言ってたことですが、「精神的に苦しい」と、まず心療内科に行った。
そこで「あなたは病気じゃない」と診断をいただいたそうです。
いやいや、患者が苦しい言うてますやんと突っ込んではいけません(笑)。
病気の診断基準は解釈によっていくらでも変えられるのです。
「えーー!そんな適当でいいのーー!」
いいんです(川平慈英風)!
そこらへんは、また書いていきます。
こうなってくると、自分も病気じゃないのか?と疑いたくなってきませんか?
嗜癖行動・依存行動の成り立ち
依存と嗜癖の境界線はズバリ、動物も依存がおこせるかどうかです。
動物は恋愛依存や、携帯依存、摂食障害やリストカットはしないでしょう。いたら怖いですね(笑)。
依存は動物にもおこせる。
それは、行動薬理学という動物を使った実験の中で明らかとなっています。
アルコールや依存性の薬物を使うと動物がアルコール、薬物を求め続ける。
というのが、病気かどうかの根拠になっているわけです。
依存物質という快楽物質によって依存ができるわけです。
それは、動物の行動を変えてしまうほどの強烈な欲求です。
では、なぜ、嗜癖行動(アディクション)がおこるのか。
嗜癖も摂食障害、窃盗癖、露出癖など病気レベルのものはあります。
どういったメカニズムがあるのでしょうか。
まさか、リストカットに強烈な快楽を感じるという変態はいないでしょう(笑)。でも、いたら、すいません。
全ての嗜癖に言えることですが、なぜ、癖になるのか、それは、ホッとしたから。
もっと大げさに言うと、その行動によって命が救われた気持ちになったからです。
その行動をすることで心が救われたのかもしれませんね。
だから、嗜癖行動は千差万別、人の数だけあるのかもしれません。
ですから、依存も苦しさから逃れるため、ホッとしたいために、酒を飲むということをしていたら、より強固な依存になっていくだろうし。嗜癖行動は依存も含まれると言ってよいと思います。
何となく分かりましたでしょうか?
ちょっとピンと来ないと思うので、また、実例をあげながら、繰り返し書いていきたいと思います。
依存や嗜癖は何が問題なのか
さまざまな癖や病気レベルでない依存。これを読まれているみなさんも1つや2つあると思います。
例えば、携帯依存。
携帯電話を家に忘れただけで、1日落ち着かず、ソワソワソワソワ。これは、禁断症状が出ているんです(笑)。
立派な携帯依存といって良いかもしれません。
あとは、ダイエットと言いながらケーキを食べている女子。これは、甘味依存だとなりますね。
こんな風に、みんな、1つ2つやめられない癖はあるものなのです。
これは、自身でおこなうストレス対処法と言えるかもしれません。現代社会はストレス社会ですからね(汗)。
では、癖や依存の、どこからが問題で、何が問題なのかという話をしましょう。
1つは社会的、身体的、精神的な問題が出てきたら問題でしょうね。
先ほどの例で言うと、携帯依存で、最近はポケモンGOにハマっていた。車の運転中にもかかわらず、ついつい気になり、携帯を見てしまい、人身事故をおこしてしまった。先日、そんな事件がありましたね。
甘味依存であれば、甘いものを食べ過ぎて、糖尿病になってしまった。
栄養指導をされていて、ひかえなければいけないのは十分理解しているが、甘いものがやめられないとか。このような、糖尿病患者は山ほどいますね。
いや~問題ですね~。でも、さすがに人身事故はまずいですけど、甘味依存で糖尿病になったのは別に問題ではないですね。
では、問題の本質とは何かです。
問題は苦しんでいるかどうかです。
「本当は、甘いものをひかえて、長生きしたいのに、やめられないのよ~」となると問題になってくるわけです。
「そんなこと言ったって、家族、周囲の友人、医療関係者は振り回されて、苦しんでいるのよ!」
といった反論があるでしょうが、それは、実はその周囲の人たちの問題なのです(ガーン)。
これについては、またまた、別で書かなければいけません。
問題があるかどうかは、本人が苦しんでいるかどうかです。
釣りバカ日誌のハマちゃんは、釣りが好きすぎて、釣り依存と言ってもよいでしょう。
なんせ、釣りバカですからね(笑)
そして、仕事はほっぽり出し、周囲を困らせてもいます。
でも、苦しんではいないでしょう?