苦しい人は逃げやすいのです。トラウマと回避行動は必ずセットで起こります。

今回の話はトラウマと回避行動はセットであるという話です。
つまり、苦しい人は、逃げ癖があるということです。

そして、逃げるという行動(逃げ、嗜癖、依存、癒しetc..)は、それがあったから、その人は今まで生きてこられたということです。
それを、ムリに取り上げるということは・・危ないです(汗)。

逃げ癖のメカニズム

ある日、K’sセラピールームにネットから新規のご予約がありました。しかし、初回カウンセリング日が近づくとキャンセルになることがあります(汗)
僕は、そのお客様と、1回も会うことなく、ただの一言も言葉を交わすこともなく、フラれてしまうんです(泣)。

でも、こんなことはザラです。

僕は苦しい人って、逃げやすい人だと思っています。
逃げやすい人・・。嫌な言い方ですね。
すみません(汗)。

こんな言い方をすると、ドキッとさせてしまったり、怒られたりするのでしょうが。
苦しいんだから、逃げるのも仕方がないぐらいに考えて下さいね。

なぜ、「苦しいんだから、逃げるのも仕方がない」と言い切れるかというと。
やはり、トラウマのメカニズムを知らなければ逃げることも理解ができないでしょう。

トラウマと回避行動の出来上がる仕組み

まず、トラウマがどのようにして出来るのか、そのメカニズムを知りましょう。
トラウマは、例えば、震災があって「津波が来た!危ない!逃げろ!」と。

何とか、丘の上に駆け上がり、足元まで津波が迫り、命からがら助かったとします。
「あ~助かった~」これでトラウマができます。

命の危険があり、助かったんです。
そして、体は「あんな怖い思いは二度としたくない」と感じた、これがトラウマができるわけです。

トラウマは防衛の反射です。
自分の命を守るために出来る身体反応とでもいいましょうか。

そして、TVで津波の映像が浮かんだだけでパニックのような症状をおこすようになる。
海に近づこうとするだけで、震えが来る。
だから、海にできるだけ近づかないようにする。当時のニュース映像が流れ出すとTVは切るようにする。
これが、回避行動です。

何かに追われる男性

回避行動は依存と言っても過言ではない

つまり、トラウマと回避行動はセットで出来上がります。

「自分にトラウマはない」と思う人は、僕が過去にトラウマについて書いた投稿をぜひ、読んでみて下さい。
トラウマとは心的外傷=心の傷です。
つまり、人によっては小さな傷であっても、その人が辛かった~と思えば、それは立派なトラウマであるというのが僕の考え方です。
(現在、複雑性PTSDと呼ばれているものです。この記事をはじめに書いた頃はあまりポピュラーな概念ではありませんでした)

苦しい人は、回避行動をとりやすいのです。つまり、逃げやすいのです。
そりゃあ、まあ、ドタキャンぐらいしますわな(汗)、ということです。
そして、回避行動について、今回はもう少し説明をしないといけないなと思っています。

回避行動とは、辛いことから逃げることですけど。
それは、言い換えれば「依存」とも言えるわけです。

逃げでも、依存でも、嗜癖でも、あるいは癒しでも、なんでも言い方はいいのですけどね。
そういうモノ、行動、人にハマりこみ易いのです。

回避行動に対する理解

これらは、大麻依存話にもつながって来ることですけど。
例えば、元KAT-TUNの田中聖さんは、大麻以外にも、タトゥーを自傷行為のように入れていたと何かで読みました。
こういう、嗜癖行動(アディクション)が複数あるものをクロスアディクションといいますけど。
こういう状態になることも、ままあるのですね。

で、この田中さんから、田中さんの周りの大人、田中さんを愛する人は大麻を取り上げようと強く働きかけるワケです。
常識的に考えてそうでしょう。
しかし、同時に、それがどういう結果になるかも知っておかなければいけませんよ。

僕は、長年、依存性病棟で働いてきた、依存症の専門家です。
依存症の方が、依存物質や依存行動をやめて。やめた結果、他のモノや、行動、人にハマってしまうことは、普通にあります。
これを依存がスライドしたと言います。

アルコール依存症者が、お酒をやめて、今はギャンブル依存症だとか。よくある話です。
さらに、依存物質や依存行動をやめて、その後、うつ病とか引きこもりになってしまうこともよくあります。

先日、自殺された人も、依存症の方で、その行動をやめていた人でした。
依存症が治って自殺する人がいる。
そう考えると、依存していたから、その人は生きてこられたと言っても大げさな話ではないでしょう。

逃げでも、依存でも、嗜癖でも、あるいは癒しでも、それらがあったから、その人は生きてこれたのだと、そう理解をしなければいけません。

「お前は、意思が弱い」とか「逃げるばかりする」とか、責めてもいけません。
っていうか責めても問題解決にならないというのが正解です。

その裏にある苦しみを理解しなければ、そういった逃げ癖、依存・嗜癖行動もまったく理解ができないでしょう。

そういう無理解者には、ただ、意思が弱い人がそこにいるだけとなってしまいますね。
世間や社会はそんなものかもしれませんが、であるなら、そういった無理解者は、苦しい人や依存症者とかかわらないでいただければ幸いです。

割れたハート

逃げ癖の改善方法

ではどうすれば逃げ癖は改善できるのでしょうか?

それは、回避行動を引き起こしているトラウマを取り除くことによります。つまり、トラウマ治療です。

トラウマ治療において、苦しみを惹起(引き起こす)ことはあります。
ないと言えば嘘になります。

おそらくトラウマを持っている人に「トラウマ治療」という言葉をいうと、それだけで恐れおののくでしょう。
逃げ癖のある人なら尚更です。
イメージ的には1000段の階段を一気に飛ぶぐらいのイメージではないでしょうか?
そりゃあ、無理ですよね。
いっぺんに飛べるのは、せいぜい2,3段ではないですか?

当セラピールームで取り入れている条件反射制御法は、1000段の階段を1段、1段登っていく治療です。
1日1段しか登れなくても、1000日後には必ず治りますよね?

条件反射制御法が、どれほどのステップを踏んで治療を進めていくか。

苦しみを惹起するにも、非常に細かくステップを踏んで治療を進めていきます。
そのステップは自分の調子を見ながら、自分で設定できるのです。

あっ、ちょっと調子が悪いかもと思ったら、今日の治療は終了です。
そういう風に進めていきます。そういう風に作っているのです。

何よりも、トラウマ治療を恐れてはいけません。

あんな怖い思い、二度と思い出したくないと思っているから、そもそも何十年たっても、消えずにとらわれ続けているのですから。

トラウマ治療は苦しくないと言ったら嘘になります。

しかし、トラウマ治療をして、
あまりの苦しみに自殺をするということはないと、僕は、確信しています。

なぜ、苦しい治療をしても、絶対に死ぬことはないと言い切れると思いますか?
理由は、現在、死んでいないからです。

あなたは、苦しんで、苦しんで、苦しみ抜いて生きてきたはずです。しかし、現時点で死んではいません。
つまり、トラウマ治療をしても、死なないということです。

トラウマは所詮、過去の記憶にすぎません。経験してきたことに過ぎないからです。

大切なのは今とこれからです。
過去にとらわれた生き方をやめて、新しい自分になりましょう。

階段を昇る親子

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