アダルトチルドレンが親になったとき、子育ては難しい

僕はアダルトチルドレンでした。なんの因果か、結婚した嫁さんもアダルトチルドレンでした。そんな僕たちだから、子育てもうまくいかず、とうとう子供は不登校になってしまいました。

僕たち夫婦は親から適切に愛情を与えてもらってこなかったので、当然、子供ももうまく愛せなかったのです。

泣く母親を見るこども

子供のことを愛していても、うまくは愛せていなかった

僕は、子供が生まれた時のことを、今でも、昨日のことのようによく覚えています。飛び上がるほど嬉しかったからです。

おっぱいを飲んでいる姿も、匂いも、肌触りも・・愛おしかった。初めて寝返りをうった日も、離乳食を食べた日も、つかまり立ちした日も・・よく覚えている。

少し目を離したすきに階段の一番上から転げ落ちたこともありました。ビックリして、ものすごく心配しました・・・。

僕は、子供のことが自分の命と同等に大事です。昔だったら、自分の命より大事だ・・なんて言っていたかもしれませんが・・

僕は子供のことを愛しているのです。

それでも、僕は子供をうまく愛せてこなかった。結果、子供が不登校になったのですから・・・

 

子供の検診で発達障害を疑われることもあった

僕の子供は赤ん坊の時から、夜泣きが酷くて、寝たな・・と思って布団にそっと置くと泣いて、夜通しずっと抱っこして、嫁さんと1時間半おきぐらい寝起きして、交代しながら朝まで過ごしたり。少し大きくなってくると、スーパーに連れて行ったら、癇癪を起して床に突っ伏して泣いたり。それで、食材も買えずに家に帰ることもしばしば。1日に1回は手が付けられなくなるほど暴れて・・大変でしたね。そんな、子供を見ては嫁さんも泣きますしね・・・。

ADHD的な特徴、特に衝動性の強い子供でした。実際、検診で発達障害を疑うので病院への受診を勧められたりもしました。でも、僕は子供の発達障害なんて1ミリも疑ったことはなかったです。

僕は、アダルトチルドレンの専門家です。家族機能・家族関係の専門家です。

僕は「僕と嫁さんが回復したら子供も変わる」そういう信念を持ってずっとやってきました。

たぶん、発達障害の専門家には、アダルトチルドレンである僕や嫁の苦しみ、回復のために流した涙、感情は永遠に理解できないでしょう。もちろん、子供の苦しさや、気持ち、感情も理解できないと思います。

 

どんな親元に育ち、どんな幼少をすごしたかでアダルトチルドレンの子育ては違う

アダルトチルドレンの親の特徴はさまざまです。どんな親元で育ち、どんな幼少を過ごしたかで、いろいろなパターンに分かれるでしょう。それでも、共通して言えることは、子供をうまく愛せないということです。

アダルトチルドレンの親の育児の特徴を何パターンかあげてみましょう。

 

  • 自分の親の言動、口癖、考えや、教えを踏襲している

一番よくある、アダルトチルドレンが育児で苦しむのがコレだと思います。

虐待されて育った子供が、大人になって我が子に虐待をしてしまう・・というのは、よく聞く話だと思いますが・・それですね。

例えば、しつけが厳しい家で育った子供が、大人になって子供を厳しくしつけてしまうとか。干渉が酷かった家庭で育った子供が、大人になって子供にすごく干渉してしまうとか。子供の時、されて、言われて嫌だったはずなのに、辛かったはずなのに・・そんなことしたくないのに・・いつの間にか、あの親と同じようなことを子供にやってしまっている・・。

あるいは、いつの間にか親と似たような思考、信念を持ってしまっている。それで、子育てをして、自分が苦しんできたことと同じように、子供も苦しめていく・・。

こういうのがアダルトチルドレンの育児の一番、典型的なパターンとしてあると思います。

 

  • 自分がしてもらえなかったことを子供にしてあげたい

アダルトチルドレンは自分が子供時代、いろいろと不足で育っているので、それゆえに、自分が親にしてもらえなかったことを子供に目いっぱいしてあげたいという強い思いがあったりします。子供のころ親に抱きしめてもらえなかったのでしてあげたい。子供のころ親に遊んでもらえなかったのでしてあげたい・・。

因果なことに、してあげたい・・そんな思いが逆と子供を苦しめることがあるのです。

あくまで、してもらいたかったのは幼少の頃の自分だったりするので、子供の思いを無視して、子供に干渉してしまったり・・。そもそも、幼少の頃の自分を見ているので、目の前の子供のことは、見ているようで実際は見ていなかったりします。

また、子供のためにという気持ちが、自分の伴侶に向かって・・子供にこうしてほしい!と伴侶を批判したり、コントロールしてしまい。子育てのことで夫婦がいがみ合い、子供の前で喧嘩・・逆にもっと子供に悪影響を与えるという本末転倒なことになっていることも多いです。

親の逆をしようとして、また毒を与えているということがあるのです。

 

  • 良い親にならなければ・・という呪縛

アダルトチルドレンは親の良い子で育ってきていますから・・。親の顔色をうかがって、親の気に入るように生きて、そこに自分の考えや意思もなく育った。それが、そのまま大人になってしまうと・・・。

学校でも良い子。社会人になっても良い子。人付き合い、恋愛でも良い子。

今度は、結婚。良い妻、良い旦那であろうと、一生懸命頑張って働いて、食事を作って・・・

子供ができたら、良い母、良い父であろうと一生懸命頑張って、育児書を読んで、そのようにやってみたり。よその子が習い事をしていると聞きつけると、ウチの子もしないといけないのかと思い、習い事させてみたり。

そんな風だから、子供の気持ちや、思いをくみ取るようなゆとりもなく・・。

こういう生き方をしていると自分自身も息が詰まっていくでしょう。でも、親がこんな風に生きていると、当然、子供の息も詰まってしまうのではないでしょうか・・。

 

  • なんで私の言うことが聞けないの!という怒り

そもそも、なんで子供が親の言うことを聞かないといけないのか?・・普通の人の感覚ではそうかもしれませんが・・・

しかし、アダルトチルドレンの育児をみてみると「なんで私の言うことが聞けないの!」という子供に対する怒りを持っている人がすごく多いように思います。

「私の言うことが聞けないの!」というセリフを、もっとアダルトチルドレン風に言うとこのように言い換えれると思います。「私は親の言うことを聞いて生きてきたのに、なんであなたは言う事が聞けないの!あなたも私と同じように親のいう事を聞きなさい!」と、そんな風になるかと思います。

要するに、自由に振舞おうとする子供に嫉妬で、あるいは親に向かうべき怒りを子どもにぶつけているんですよね・・。

子供はわがままで、言うこと聞かない・・っていうのが子供らしく普通のことだと思います。それに、ことさらに腹が立つということはアダルトチルドレンなのだと思います。

 

  • どうやって抱っこしたらいいのか、遊んだらいいのか分からない

アダルトチルドレンで育ったら、親から抱っこされた経験や、遊んでもらった経験が少ないので、親になって赤ちゃんをどうやって抱っこしたらいいか分からない・・子供とどうやって遊んだらいいか分からない・・という人も多いです。

もしかすると、ぎこちなくとも赤ちゃんを抱っこすることはできるかもしれない・・。でも、赤ちゃんをあやすとか、喜ばすとかになると、とたんに出来なくなる・・。いないいないばあっとか、ベロベロばあっでも、赤ちゃんをあやすこと、喜ばすことはそんなに難しくないはずなのに・・そういう感覚が分からない、できない、楽しいと感じれなかったりします。

さらに、子供が大きくなってくると、子供の遊びに付き合わなければならなくなります。積み木で遊んだり、小さな公園で遊んだり・・そういうことに付き合うことに非常に苦痛を感じるようになります。

本来、親にとって、そういった時間は宝物のように嬉しい時間のはずなのに・・。なんで、そんなことに付き合わないといけないのか・・なんて考えてしまう。アダルトチルドレン風に言うなら「なんで、自分もしてもらっていないのに、そんな子供の遊びに付き合わないといけないのか!」そんな感じだと思います。

 

我が子を愛せれないということは人間本来の姿ではない

「子供が可愛いと思えない!」「子供に腹が立つ!」という親が時々来られます。

我が子を愛おしいと思えない、我が子に腹が立つ、というのは非常に悲しいことですね・・・・。

また、ある親は「子供のことが心配なんです!」と言う。ある親は「子供はしつけないと社会適応しないじゃないですか!」と言う。僕のところには、そんな親たちがたくさんきます。それで、子供たちが苦しんでいるんですけどね・・。

育児に、子育てにどんなすばらしい考えを持っていたとしても、結果を見てほしいですね。子供の表情を良く見てほしいです。

愛する我が子が苦しそうにしていないですか・・?

あるいは、ウチの家みたいに子供が不登校になったり、あるいは万引きしたり・・何かしら苦しい子供たちはSOSを出しているものです。

うまく、子供とコミュニケーションがとれていますか?

僕は、こう思います。我が子を適切に愛せないということは、人間の本来の姿ではないのではないかと・・。なぜなら、人間以外の哺乳動物は育児書なんて読まなくても、我が子のことを自然に愛せているからです。

子供をうまく愛せないということは、大げさに言うなら自分の遺伝子が絶えるという事、血が絶えるということです。それは、とても不自然なことなんだと思います。

 

アダルトチルドレンを克服して本来の親になろう

今も子供は不登校ですし・・本来は、僕なんかが、子育てのことを書く資格もないのかもしれません。

でも、僕も、嫁さんも子供が生まれた時には、まだアダルトチルドレンで、うまく子供を愛せなかった・・。そのため、子供が苦しんだのも仕方がなかった・・と僕は思っています。

やっと、ここ最近になって、子供のことをうまく愛せれるようになってきたかな・・と僕自身思っているところです。休みの日、終日、子供と遊んで過ごすことが楽しくて、嬉しくて。平日も、仕事から終わって帰ったら「パパお帰り~」って来てくれて、「パパ~、パパ~」って言ってきますからねぇ。「最近、パパ、パパってすごい言ってくるけど・・なんでなん?」なんて聞いたら「え?パパに興味が持てるようになったから・・」だそうです 笑。今ごろ?って突っ込みましたが・・今、やっと・・なんでしょうね・・。

子供も僕の治療をやってくれて、ヒステリックになることもほぼなくなって、とても穏やかになりました。今の子供を見て、「発達障害だ」なんて言う人は皆無でしょう。

でも、まだ、学校に対する恐怖心があって、不登校は続いています。子供がそういう状態である限り、僕は自分のアダルトチルドレンと向き合い続けなければならないと思っています。

原因は、子供ではない。嫁さんでもない。いつも自分自身。

そうやってきたから、今の僕はいるし、今の嫁さんや、子供たちとの関係があるんだと思っています。

子育てに悩んでいる人たちが、少しでも自分の中にあるアダルトチルドレンと向き合って、いつかアダルトチルドレンを克服して、本来の親となっていただけることを心から願っています。

笑顔の親子

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