わかっているけどやめられない行動はパブロフの条件反射

わかっているけどやめられない行動とは

わかっているけどやめられない行動はどんな行動でしょか?

女性だと、「ダイエットしたいんだけど、ついつい甘いものをたべてしまうんだよね」とか。
男性だと、「タバコが値上がりしたし、やめたいんだけどやめられないんだよね」とか。
誰だって、わかっているけどやめられない行動は、多かれ少なかれ、あるとは思うんです。

今回はわかっているけどやめられない行動のメカニズムについてお伝えできればと考えています。

わかっていてもやめられない。その精神の二重構造のようなものはどうしてできるのか。
僕は依存症の専門病棟で長く働いていたので、覚せい剤やアルコールの方が「私の中に神と悪魔がいて戦っている」「私の中にもう1人別の人格がいる」そんなニュアンスのことをよく耳にしていました。

また、アルコールが体から抜けるときに、アルコール離脱せん妄という意識障害がおきることがあります。
保護室という隔離が可能な部屋で、ここがどこかもわからない状態で「コラッ酒もってこい!」とドアを蹴る。
自分の意識がなくても、アルコールに対する渇望、欲求はあるんだと思ったものです。

また、アルコール依存症の人が外出をしたとき、電車で家に帰り、地元の駅を降りた瞬間「景色が変わって見えた」と言い、そのままスリップ(再飲酒)をしてしまう。

また、ちょっとしたことで怒りがこみ上げて、それがスリップにつながるという人がいて、歩いていて、赤信号に引っかかった、それに怒りを感じてスリップしてしまった。

もう、この人たちは、普通に生活することもままならないなと思ったものです。
どうして、人間は、こんな不可思議な状態にまでなってしまうのか?

答えを初めに言います。

それは、条件反射です。

パブロフの条件反射について

条件反射と言えば、パブロフという人物が浮かぶと思います。
「パブロフの犬」という言葉で有名だと思いますが、そもそもパブロフの犬とは何か、
パブロフが主に犬の実験で明らかにしたことはなんなのでしょうか。

パブロフの条件反射とは何か

今から記するのは、ちょうど100年ぐらい前の人物のことであり、理論です。
パブロフは旧ソ連の生物学者です。犬の唾液腺から出る、唾液の量を実験で測っていました。

すると、飼育員の足音を聞いただけの犬が唾液をダラダラと垂らしたわけです。
「なんじゃ、こりゃ、不思議じゃな。何にも食べてないねえ、唾液が出ようるわ~」と岡山弁で言ったわけではないですが(笑)。
この現象を指し「パブロフの犬」と言ったわけです。

犬と餌

パブロフが実験で明らかにしたこと

パブロフは餌(報酬)によって、その前の行動(条件刺激)が固定、強化されるということを明らかにしました。
これを条件反射(古典的条件反射、レスポンデント条件付け)と言います。

条件反射ができてしまうと、条件刺激(飼育員の足音など)だけで唾液が出るようになります。

例えば、人間で言ったら、「梅干1個とレモンを2切れを口の中に入れて、食べて下さい、うひ~っ、すっぺ~」と言ったら自然と涎が出るはずです。

例えば、「これから梅干を実際に見せますから、絶対に唾液を出さないで下さいね」と言っても、実際に見てしまうと溢れ出る唾液を止めることはできないでしょう。

 

つまり条件反射とは、わかっていても無自覚に駆動してしまう行動です。
まさに、条件反射としか言い様がないです。

条件反射と依存行動

これと同じように、アルコール依存症の人も飲酒を繰り返すことで、条件反射ができてしまいます。
例えば、アルコール依存症の人は多くが晩酌をするので、夕方から夜にかけて強い飲酒欲求が出ます。
怒りやストレスの解消のために飲酒をしてきた人は、ストレスが溜まったときや怒りが生じた時に無性に酒が飲みたくなります。

まさに、条件反射ですね。
しかし、これらの夕方→飲酒欲求とか、ストレス・怒り→飲酒欲求というのが当てはまらない人もいます。

僕が見てきた中では、夫を亡くした妻が、悲しみにくれ、夫の仏前で飲酒を繰り返しアルコール依存症になった。
その女性が、飲酒欲求が生じるきっかけは、夕方でもなく怒りでもありませんでした。

悲しい気持ちになったときや仏壇の前に座った時だったのです。
これも、やはり条件反射ですね。
パブロフの理論から言えば全然不思議な現象ではないのです。

酒に飲まれるのは、意志が弱いからと言う人もいるかもしれませんが、それは違います。

アルコール依存症者が酒が欲しいのは、酒に飲まれるのは、意志の問題ではありません。
意志(認知)とは違う生体反応です。条件反射です。

わかりやすいので、アルコール依存症で例えて書きましたが、依存症、全ての癖も同じだと思って下さい。

わかっていてもやめられない行動はすべて条件反射です。

 

レスポンデント条件付けについて

少し難しい話をして申し訳ないのですが(今までも十分難しいとは言わないで(泣))、
快楽(報酬刺激)による行動の強化をパブロフが明らかにしました。
これをレスポンデント条件付けと言います。

パブロフの後にスキナーという行動療法学者がいまして、これはパブロフの後継という位置づけで僕は良いと思っています。
そのスキナーという学者はスキナー箱という実験装置の箱を作ったことが有名だとか、論理を再定理化したことで有名だとか、そんな話はとりあえず置いといて(汗)。
生命の条件付け行動は4パターンあるということを証明しました。

条件付け行動の4パターン

  • 1つ目、正の強化。これは、パブロフと同様です。快楽(報酬刺激)よる行動の強化です。
  • 2つ目、正の罰。苦しみ(嫌悪刺激)による回避行動の固定化です。
    ここら辺から、既存の行動分析学の理論とはずれてきてくると思いますが、これは僕の解釈ですから、ご理解ください(笑)。
  • 3つ目、負の強化。苦しみの回避行動の強化です。
  • 4つ目、負の罰。快楽(報酬刺激)の消失による行動の弱化です。
    素晴らしくわかりやすいですね!

このスキナーの理論をオペラント条件付けと言います。

このスキナーの理論を元に、行動分析学だとか学習理論だとかができています。
そして、その理論を元に、認知行動療法や行動療法ができているわけですね。
スキナーは、すごいですね(笑)。

条件反射制御法を作った平井愼二 医師は、「条件反射は生命の進化を支えるもので、生命は条件反射から逃れることはできない」というようなことを言ってます。

全くその通りだと思います。

人の行動は頭の先からつま先まで条件反射です。

ドーベルマン

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