「寂しさ・不安・恐怖は無いのが普通ですよ」って言うと、
お客さんから「そんなワケがない!」と反論をいただくことがあります。
そんなに反発しなくても・・・。
そういうのを治すために僕のところに来たはずなのに・・・そこを反対されても困るんですよね・・・
でも、僕の説明不足もあるでしょうから・・・今回は、このことをもう少し丁寧に説明させていただこうかな、という回にしたいと思います。
日常の寂しさ・不安感・恐怖心について
最初に言っておきますけど・・
寂しさ・不安感・恐怖心はあるのはあります。
生命ですから。人間ですから。そりゃあありますよ。
最近、ニュースで流れた高速道路で煽り運転され、無理やり停車させられて、無抵抗なのに殴打される・・・こんな事件に巻き込まれたら、そりゃあどんな人だって怖いですよね。あたり前ですね。
寂しさも、僕には嫁や、子供がいますが・・・その中のひとりにもしものことがあって・・・。
そんなことがあったら、不安だし、怖いし、もし失ったら・・・とてつもない喪失。寂しさでしょうね・・・
ということで、寂しさ・不安・恐怖はあるのはあるのです。
いきなり、言ったことを覆しているようにみえますか?
でも、これは、何かあればの話です。
何かあれば、寂しくて、不安で、怖くもなりますよ。
でも、この日本で普通に生きていたら、日常は何もないじゃないですか。
何もない日常は、平和、平穏なはずですよ。
でも、僕のところに来る人の多くは、何もないのに(その人は何もないと思っていないことがほとんどだが・・)、寂しくて、不安で、怖い人が来るのです。
ですから、あらためて・・・この平和で、平穏な日本、日常の中で、寂しさも、不安も、恐怖も無いのが普通です。
強い寂しさ・不安感・恐怖心
もう少し言うと、僕が病院で働いている時に、TVのニュースを見ながら泣いている患者さんがいました。殺人事件のニュースです。
「怖い・・・。外に出るのが怖い。世の中はおかしい・・・。どんどんおかしくなっている・・・」そう言って泣いていました。
僕は「いやいやいや・・・世の中はおかしくなってないよ。ニュースだもん。殺人事件のニュースは流れるよ。ニュースだもん。1億2000万人も生きていたら、殺人事件ぐらいおきますよ・・・。それに、凶悪犯罪は昔からいったら随分減ってきているし・・・。患者さんの知り合いでも、親族縁者でも、殺人犯なんていないでしょ?」
なんて言ったこともありましたね・・・・
まあ、そんなこと言っても、その人の苦しみが楽になることはないんですけどね・・・
その患者さんはずっと精神科への入退院を繰り返していて、かなり苦しんできた人なので・・・さすがに参考にはならないでしょうけど・・・。それでも、このブログを読んでいる人には、少しはこの人の気持ちが分かるんじゃないですかね?
僕のところに来る人たちは、そんな世界に生きている人です。
寂しい・・・っていっても、自分が保てないほどに寂しかったり・・・
不安っていうのも・・・ぐるぐるぐるぐる・・とめどなく不安だったり・・・
怖いっていうのも・・・人と会うことさえ怖かったり・・・
そんな世界が普通だと思っていて・・・だから、逆に世の中がおかしいと思っていたり・・・・
普通の人の感覚では分からないかもしれませんが、そういう感覚の人たちがたくさん僕のところに来るのです。
繰り返しますが・・・普段は、寂しさ・不安感・恐怖心は無いのが普通です。
そういう世界で生きられたら・・・すごく楽だと思います。
カウンセリング、治療を通して、そこまで持っていくことができたらなあと思っています。
回復して安心できる世界を生きていきましょう。