トラウマの終わりは安心感です

トラウマを改善するための方法

僕は、常日頃、トラウマに対する治療をしています。
トラウマというのは一般的には、命の危機的な出来事を経験し、それによる反応がその後も続いている病態、とでもいいましょうか・・

もっと平たく、トラウマとは心の傷であると僕は思っていますが・・
前にトラウマを治すためには暴露と反芻を繰り返すということが大事だという記事を書いたと思います。

今回の、ブログはそこから、もう少し突っ込んだ記事になるかなと思います。

暴露とは、トラウマの想起。
反芻とは、その繰り返し。

パブロフの条件反射理論的にいえば、それでトラウマの反射は消去される・・
つまり苦しみは小さくなり、いずれは消えてなくなる・・そういう感じですね。

僕は、とりわけ条件反射制御法という心理療法を学び、それを使って、さまざまな疾病に対して治療をおこなってきました。
前述の、暴露と反芻についても、パブロフの条件反射理論および、この条件反射制御法という心理療法の中の理論であり、言葉です。

でも、ただトラウマを想起するだけでは苦しいだけというか・・楽になっていかないのです。
トラウマを想起する時は、最後まで想起するということが大事になっていきます。

トラウマ想起の具体例

具体的な例を出すと、例えば津波の被害にあわれた方がいるとします。
その後、TVのニュース、新聞まどで津波の話や映像を見聞きしただけでフラッシュバック、つまりその時の緊張状態が蘇るようになるわけです。

こういった病態を、トラウマとか、PTSD(心的外傷後ストレス障害)というようになるわけですが・・
この反応を消去するために、暴露(想起)・反芻(繰り返し)していくわけですが・・・

この場合、ただの想起だと、こうです。
ドンっと音が鳴って、津波が来る・・
トラウマ・PTSDがある方はその様子を刻一刻と詳細に覚えていると思います。
その後、津波が建物を、街を、人を飲みこんでいく・・そういう様子を覚えているだろうと思います。
そういうことを思い出す・・

これがただの暴露というか、ただの想起になります。

ただの想起は、ただ苦しいと前述したのは、こういうことです。
これだと、楽になっていかないと思います。

トラウマを想起する時は、最後まで想起することというのは、こうです。

  1. 津波が来る・・
  2. 津波が建物を、街を、人を飲み込んでいく・・・
  3. ついには自分をも津波は飲み込もうとしている。
  4. 津波から逃げて・・
  5. 丘の上を駆け上がり・・
  6. 足元まで津波は迫ってきていたが、ギリギリ命が助かった・・。
  7. 命が助かった。
  8. ほっしたという安心感・・。

トラウマは命の危機が過去にあったということです。
でも、命は助かったのです。
命が助かったから、今このブログを読んでいるのですから。

トラウマの終わりは安心感です。
命が助かったという安心感です。

最後まで想起するということは、命が助かった安心感で終わるということです。

安心感で終わることで、トラウマの反応は弱くなり、消えていくのです。

とはいえ、想起、思い出すこと自体が苦しい方には、ただの想起であろうが、安心感で終わるであろうが、なかなかハードルが高いことなのかもしれませんが・・・

それならば、どうするか・・というのは、また、次の機会に・・・

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