シャンビリ
シャンビリって聞いたことありますか?
おそらく、精神科で働いている人でさえも
ほとんどの人が聞いたことも、見たことないと思います。
SSRIやSNRIといった、とりわけ新型の抗うつ薬を抜くときにおこる、有名な離脱症状(禁断症状)です。
シャンビリとは頭がシャンシャンと耳鳴り、手足はビリビリと痺れるので、通称シャンビリです。
これは、大げさでもなんでもなく、死ぬほど苦しいですからね。
なぜ、精神科で働いている人でさえも、うつ病という超メジャーな病気の、これほど有名な症状を見たことがないと思いますか。
それは、基本的に薬を減薬する、断薬するという発想さえないからです。
こういうのを「クスリ漬け」って言うんですかね。
僕は、ベンゾだけでなく、抗うつ薬も断薬していきます。
もちろんメジャー(抗精神病薬)も全て抜きますけどね。
シャンビリなんて、滅多にお目にかからない症状ですが、そのことについて今回は書いていきましょうか。
僕が減薬、断薬に使うものをサティスフェイクと言います。
まあ、偽薬です。偽物の薬ですから、商標的には食品のあつかいになります。安心ですね。
それを手順を間違えずに使うと、まず、禁断症状は出ないのですが、
あるクライエントの、SSRI50mgを5mgずつ、少しずつ抜いていくと、ドンっと体が動かなくなる。
シャンビリとまではいかないが、そういった症状がでる。
おかしいなぁ~と思っていました。それでも、症状がいつまでも続かないので、いいかぁ~と思って、1ヶ月ぐらいかけて、ドンドン抜いていって、10mgから5mg、もう大丈夫かな~と思っていたら。電話です。
「・・・・・・・・・・・助けて・・・・・・!!!呼吸が・・・!!身体が・・・!!」
あ~やっちゃった。
シャンビリです。呼吸が浅くなり、手足が痺れ、体は寒くなったり、暑くなったり、一歩も身体が動かないんです。
電話指示で、偽薬を飲まそうにも飲めない。
すぐに、家に乗り込んで、なんやかんやで30分で落ち着きました(フゥ~)。
落ち着いてから、偽薬を飲んでいたのかと話を聞くと
「症状が出たら必ず飲んでいたんだけど、朝から動けなくて、そうこうしてたら、急に来たから・・」
う~ん。指示守ろうよ。
抜いて症状が出たら偽薬を飲む、そりゃあ症状がでるに決まってるじゃないですか。
症状が出る前に飲まないと。
とにかく、僕に言ってくれてよかったです。
これで、救急車を呼ばれたんじゃあ、また、薬漬けです。断薬後の急死ということもありますからね。
これを読まれた方は、医師の指示以外での減薬、断薬は絶対にやめて下さいね。
あと、薬は怖いという話はしていますけど、薬を飲んでいるから、死なずに済んでるということもありますから、それは、各々で判断してくださいね。
それに、僕がやっている治療は断薬だけじゃあないですからね。うつ病ならうつ病の、パニックならパニックの根本の治療をしなければ治らないし、断薬もできません。
断薬の抵抗勢力
僕は断薬・減薬をすすめていますが、なかなか難しいのが現状です。
それは、減薬への抵抗勢力がいるからです。
患者・クライエントも抵抗しますが、それは本人が決めることなのでよしとして。
一番は医者です。
普段は、薬を変えるだけ、出すだけの癖に、イッチョ前にプライドだけは肥大化させてますから。とりわけ、臨床経験の浅い医者に限って抵抗してきます。何なんでしょうね。
毎日「患者さんが減薬希望、僕も減薬したほうがいいと思います」とカルテに記載しても減らしはしないですからね。
患者さんが症状も安定していて、減薬チャレンジしたいと言ってるんだから、チャレンジさせてやったらいいと思うんですけどね。
そういった医者が言うセリフは定例文のように決まっています。
「今は、症状が落ち着いているんだから、減らさなくていいんじゃない」
「日常生活が出来てるんだから、減らさなくていんじゃないですか」です。
そんなことは、あなたが決めることではない。
彼らは分かっていない。SSRIでもベンゾでも抗精神病薬でも、服用している人が、どれほど苦しいか。どれほど、考える力が奪われてしまっているかを。だって、飲んだことないでしょう。
まあ、責任を取りたくないと、これだけでしょう。
でも、患者が良くならない責任をとったことがある医者を僕は見たことがない。やはり、プライドですかね。
まあ、そんな医者ばかりではないですからね。
少なくとも、僕の師とも呼べる医師たちや、友人の医師たちは理想も情熱もある素晴らしい医者です。
とフォローをしておけば、大丈夫でしょう。
このブログを読んで、そんなことできる訳がないと思った人、医療関係者、条件反射制御法をやってみて下さい。
きっと世界が変わりますから。僕も大きな精神科の病院で、ずっと1人でやってきました。情熱があれば必ずできるはずです。